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なつかしや神田  新刊

江戸っ子着物絵師の昭和

なつかしや神田

94歳、生粋の江戸っ子着物絵師の手によるイラスト数十葉。 遠ざかる昭和のにおいが、懐かしさと喪失の想いとともに甦る。

著者 松柏岩崎敬一
ジャンル 文学 > エッセイ
出版年月日 2014/03/10
ISBN 9784434189326
判型・ページ数 B6変・140ページ
定価 本体1,000円+税
在庫 在庫あり
 

目次

プロローグ……お茶でも飲みながら  15
Ⅰ部 神田界隈の風俗と風物詩  17 
 第1章 神田界隈の風物詩と庶民の暮らし  19
  ◉馬車、牛車、自転車、リヤカーなどが行き交う  21
  ◉神田須田町は東京の中心だった  21
  ◉納豆や豆腐売りなどの賑やかな声が……  22
  ◉長唄にも唄われた縁日や祭りの風情  24
  《イラスト》
  引き売り  26
   ラウ屋  花屋  苗屋  甘酒売り  流しのラーメン屋  おでん   屋  下駄の歯直し  煮豆屋  牛乳配達屋  荒物屋  飴細工屋   べっこう飴売り  金太郎飴売り  お好み焼屋  しんこ細工屋
 行商  35
   七味唐辛子売り  定斎屋(薬売り)  夜鳴きそば  「お迎え」「お   迎え」  下駄の歯直し  豆腐屋  浅蜊蜆売り  泥鰌屋  包丁   研ぎ  シャボン玉売り  
 露天商  40
   すいか売り  バナナの叩き売り  易者、八卦見  鳥のおみくじ 
   あてむき屋  簡易印刷屋  荒物、金物屋  傘、はきもの屋      古着屋  かる焼きせんべい売り  射的屋  古本屋  似顔絵描    き  七味とおがらし屋  あわ餅屋  おもちゃ屋  おもちゃ売り   舟のおもちゃ売り  花火屋          
  ◉町家の商売  52
  ◉空襲  52
  《イラスト》 
  商店  54
   ミルクホール  カフェー  甘味店  今川焼屋  煎餅屋  炒り   豆屋  焼き芋屋  そば屋  支那そば屋  そば屋の出前      
  ◉子供の世界  60
  《イラスト》
  男の子の遊び  61
  開戦ドン  竹返し  タンク  スケーター  子供用自動車
 女の子の遊び  64
   羅漢さんが……  お手玉  おはじき  あやとり  
   子供相手のお好み焼き  牛荷車の荷台にぶらさがる悪がき       子供に大人気の猿回し  猿相撲  猿芝居  
 ◉長屋と庶民の暮らし  71
  《イラスト》
 長屋と暮らし  72
   横町の路地に面した二階建て木造長屋の裏口  ゴミを漁る浮浪者     ゴミ屋さん  洗濯をする女性  葬式のお礼回り  近火御見舞いの   名刺  門付坊主、願任坊主  舟遊び

 第2章 服装と髪形  77   
 ◉女性の服装と髪形  79
 《イラスト》
 女性の髪形と着物  81
   丸髷に黒五紋付留袖  結綿に振袖  島田に引着  つぶし島田     束髪に長着  耳かくしに長着  普段、町で見かける女性の服装     割烹着にモンペ姿  銀座を歩くモガ
 ◉男性の服装と髪形  86
 《イラスト》
 男性の服装と髪形  87
   大店の主人  丁稚

Ⅱ部 エッセイ 戦争と私  89

■写真が語る神田の昭和  91  
 ■太平洋戦争前夜  ■東京オリンピック前夜

 第1章 忍び寄る軍靴の音と物不足  99
  ◉流行った『東京ラプソディ』  101
  ◉日中戦争勃発  102  
  ◉国民服令と厳しくなった家業  104
  ◉もんぺと大日本婦人会  106
  《イラスト》
   当時の台所(中流階級)  107  

 第2章 戦時体制へ  109
  ◉彩管報国  111
  ◉警察練習所に入所  112
  《イラスト》
   芝増上寺  113
  ◉戦時下の染色業界、配給米と購入切符  114
  ◉銀座通りと天女のような女性  115  
  ◉B29と東京大空襲  116
 ◉買い出し  118
  《イラスト》
   B29による空襲  120

第3章 終戦、そして戦後  121 
 ◉終戦、そして被爆地広島へ出張  123
 ◉冷え込んでゆく和服業界  124
 ◉雅号について  125  
 《イラスト》
   終戦後の和装業界  126
廃業時に皆様にお送りしましたはがき  130    
エピローグ  133
あとがき  134

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内容説明

生粋の江戸っ子で内神田に生まれ育った著者(今年94歳)が見た、戦前・戦後の神田界隈の懐かしい風物(屋台や行商、引き売りなど)や服装や髪形などの風俗のほかに、子供たちの遊びなどを数十枚のイラストとエッセイで書き下ろした、どこかなつかしい昭和の香りが漂う内容です。

戦争へと向かう暗い時代にじかに体験した東京大空襲なども出てきます。オリンピック前の多町通り(著者の自宅周辺)の貴重な写真など、今ではもう見ることのできない町の風景も掲載されています。そこには、著者の静かな文明批評も垣間見られます。

長年、着物の絵師(模様師)として培って来た卓越した絵の技量と独特の絵心によって、移り行く時代の風景や世相を庶民の普段着の目線で切りとった類い稀で、貴重な「昭和」の記録にもなっています。

殺伐、混沌として先行きが不透明、ゆとりのない現代に、昭和の風情が「ふわー」っと漂ってくる心温まる一冊です。

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